下宿の思い出

下宿の思い出

学生時代、「お金がない!」というのが皆の合言葉でした。

私が通っていた大学はいわゆる「お金持ちの子女」がたくさん通っているような大学ではありませんでした。

実家からの仕送りだけでは、とても学費と生活費をまかなえません。

授業が終わると即、アルバイトに出かける学生で大学前のバス停は夕方いつも混雑していました。

ほとんどの学生が大学周辺の下宿やアパート、はたまた学生寮で一人暮らしをしていたのですが、今から思えば皆、本当に質素な暮らしをしていたものです。

私も当初、お風呂とトイレと台所を皆で共有するタイプの昔ながらの下宿に住んでいました。

女子学生専用ならまだよかったのですが、男子学生も女子学生も一緒くたの下宿です。

築何年かはわかりませんが、まさに取り壊し寸前の、間に合わせで建てた感タップリの建物。

当時は携帯電話がまだ普及していなかったため、電話ももちろん共用でした。

朝起きてトイレに行こうとすると、いつも必ず先客がいます。

すぐに出てくれればいいのですが、朝から大きい方を頑張っているような人が入っているとトホホです。

「お、おしっこ~~~」

仕方なく、一階のトイレまで走って行くはめになります。

15人ほどの住人に対してトイレは2つ。これではちょっと少なすぎますよね。

夜のお風呂も悲惨です。

八時を過ぎたころから、皆続々とお風呂に詰めかけます。

お風呂は一階にあるため、一階の住人は空いたタイミングをうまく見計らって入るのですが、二階に住んでいた私は、いつ行っても誰かが入っているお風呂の前で立ち尽くすことしばしば。

仕方なく、早朝に起きて朝風呂に入ることにしたものの、世の中には同じことを考えている人がいるものです……。

結局、「一階にもう一つあるお風呂」……あまりにも暗くて汚いために誰も入らないお風呂に入っていました。

お風呂に入るのがこんなに大変だなんて思いもよりませんでした。

台所も常に数人がシェアリングしている状態。

私は食器も鍋もすべて自分の部屋で管理していましたが、中には置きっぱなしの人もいて、夜中になるとそこはゴキブリの宴会場になるのでした。

あまりにも日常生活を普通に送るのが困難になってきたため、私は実家の両親に頼み込んでワンルームのアパートに移ることになりました。

自分でいくつかの不動産会社に電話をかけて、大学のすぐ近くに建設中だった新築のアパートを紹介してもらったのです。

入学からわずか3か月後のことでした。

お風呂もトイレも台所も自分一人で好きな時間に使えるワンルームは快適でした。

卒業までそこでぬくぬくと暮らしましたが、家賃はこれまでの3倍になったため、私ももれなく学校から即アルバイトに行くためにバス停の列に加わるはめになったのでした。

おさるのジョージの魅力

子供たちが大好きなテレビ番組があります。おさるのジョージです。これは長男がまだ赤ちゃんの時、我が家がアメリカに住んでいたためリアルタイムで英語のままの放送を楽しんでいました。私と息子は英語が全く話せませんでしたが、おさるのジョージはもちろん言葉をしゃべりませんし、喋るとしてもウッキー!とないているだけでほとんどの表現は動作で行うので、言葉が分からなくてもアニメを見ていて動きを見ているだけで内容が理解できたのです。

そんなおさるのジョージはアメリカでは日本よりも断然知名度は高く、子供向けの文具用品などでもキャラクター商品が出揃い大変な人気のようです。

そんなジョージに別れを告げて我が家は遅刻しましたが、大好きだったジョージのテレビを息子に見せてあげたいと考えていたところ、なんとNHKの教育テレビで毎週土曜日の朝に日本語に吹き替えられたジョージが放送されている事を知りました。やはり、こちらでいいなと思っていたものは、日本でも早々と受け入れられて需要があるのだなと思ったものです。

うれしくなって私は息子にジョージを見せました。アメリカから帰ってきた息子ですが、音楽のほうはもちろん日本語のほうが理解できるので、日本語のジョージを毎週楽しみに鑑賞していました。

育児をしている母親から見ると、ジョージの言動は人間の子供のちょうど二歳位の感覚だと思います。意味もない事に興味を持ち、いろいろなことを自ら実験してみて周囲を驚かしたりしています。これはまさにうちの次男、現在二歳が日頃やっていることそのものです。ジョージと友達になれるね、一緒に遊びたいでしょと私は息子達に話すのですが、それはそれは本当に嬉しそうに頷いて一緒に遊びたいなと言っています。

先日は、水はどこからやってくるの?と言う題名でストーリーが展開されていました。マンションの水道から出る水、お風呂から出る水、すべての水はどうやらホースを通って組み上げられているようだということを知ったジョージは自らスコップを取り出してマンションの表に出て行き、大木の横の地面を掘り始めます。しばらく掘り進んでいくと随分と深くなり少し水が湧き出てくることに気づきました。そこに持参したコースを繋いで色々と試みるのですが結局は失敗に終わってしまうという話です。

内容ははちゃめちゃですが、子供が不思議に思った件を率直にジョージは実験してくれるので、子供たちの好奇心も駆り立てられて、放送されている時間の間とても凄い集中力でテレビを見ています。

私もたまに一緒に見るのですが、大人のほうもついつい引き込まれてしまって、無邪気なジョージに魅せられてしまっています。

このNHKで放送されているおさるのジョージは、教育的に考えてもとても楽しく子供たちにとっても有意義なアニメだと思います。