ピアスの穴

ピアスの穴

二十歳を少し過ぎたころに、私はピアスの穴を開けました。

体の一部に人工的に穴を開けるということは、当時の私にとってかなり勇気のいることでした。

タウンページであれこれ調べ、わざわざ遠くの耳鼻科まで行って、清水の舞台から飛び降りるような気持ちでピアスの穴を開けたのです。

なぜそこまでしてピアスの穴を開けたかったのかというと……。

今となってはよくわかりません(笑)。

ただ、そのころは何もかも上手くいっていなかった、というどんより重い記憶が残っています。

転職してみたはいいけれど、いざ新しい会社に行ってみたら「なんとなく失敗だった」気がして、職場に通うのが毎日憂鬱でした。

仕事運もそうですが、恋愛運も最悪でした。

そのころ、私には付き合っている男性がいたのですが、大っぴらに頻繁に会える関係ではありませんでした。

向こうにはもう何年も長く付き合っている彼女がいて、その彼女のほうは彼との結婚を強く意識していたようなのです。

不倫ではありませんが、二股の、日かげのほうの女だったわけです。

もう何だか、このパッとしない運勢を変えたくて、願をかけるような気持ちで耳鼻科に飛び込んだのだと思います。

季節的にはちょうど真夏で、ピアスの穴を開けるには適さない時季でした。

それでも、ピストル型の器具を使って無事にチタンのピアスが耳たぶに装着されたときは、

「これで私の人生変えられるかな」

なんて施術台の上でほっとしたものです。

実際にピアスの穴を開けてみて、どうなったのかと言いますと……。

くだんの彼とは音信不通になり、別の男性とちょっといい感じになったりはしましたが、めでたく恋愛成就というわけにはいきませんでした。

仕事は相変わらずつまらなくて、上司のことも大嫌いでしたが、それでもそのあと一年は辛抱して仕事を続けました。

少額ながらボーナスが出ると、自分へのささやかなごほうびとして、パールのピアスを買いました。

ピアスの穴について考えると、ほんとうにさまざまなことが思い出されますが、ここしばらくピアスをせずに放っておいたらなんと、穴がふさがりそうになっていました。

慌てて自力で貫通させましたが、

「耳たぶに穴を開けたくらいでは人生何も変わらないんだなぁ」

と今ごろになってしみじみ思った次第です。

ファスティング

汗っかきは着替えが大変

我が家の子供たちはとても汗かきです。毎晩夜布団に寝ると寝た早々にビッショリと汗をかきます。あまりにも汗をかいて背中にくっついてしまっている状態なので、私は一晩に二回ほどは子供たちのTシャツを着替えさせているのです。びしょ濡れになったシャツをどうしようかと思うのですが、その日は夜中ということもあり、私の思考回路も鈍くなっていました。洗濯は翌朝になるので、脱いだシャツはそのまま洗面所に無造作に置いてしまっていたのです。

すると、翌朝大変なことが起こっていました.洗濯しようと昨日子供が脱いだシャツを手に取ってみたところ、とてつもない臭い匂いがしたのです。汗を放置してしまい菌が繁殖したのが原因だと思います。久々に失敗してしまったと反省したのですが、どうにかこのシャツの臭いを取りたいと私は試行錯誤しました。

まず首元についていると思われる強力な臭いを取るために、酸素系の漂白剤の液にしばらく浸してみました。そして洗濯してみましたが、やはりまた再度服を着用し汗をかくと同じ匂いが再発したのでこの方法では完全に除菌できていないとわかりました。

続いて洗濯石?で原始的にゴシゴシと揉み洗いをしてみました。不思議なことに、酸素系の漂白剤の時よりずいぶんマシになったのですが、なんとなくまだ除菌できていないような感じでした。

そして、最終手段として思いついたのが、思いきってすごく薄めた塩素系の漂白剤に入れてみるということです。色柄ものなのでかなり慎重にやらなくてはならなかったのですが、元々寝巻き用に使っていたシャツだったので、除菌できることが先決だと思った私は、思い切って自分が作った塩素系の漂白剤の液にシャツをしばらく漬け込みました。

すすいだあと他のものと一緒に洗濯をして日干ししたところ、びっくりしたことに今までいろいろやってきても落ちなかった臭いが見事に全て落ちたのです。心配していた色柄の部分も全く大丈夫でした。きっと本当に最小限の漂白剤しか使わなかったから色柄が守られたんだと思います。

その後、息子が繰り返しそのシャツをきましたが、再びあの臭いが現れることがありませんでした。

やはり汗でびっしょりになった洗濯物は、一時的に漂白水につけて置いて、洗濯するときに取り出すようにしなくてはいけないなと実感しました。